設立趣旨書

救命・救急に関する知識の啓蒙や技術の普及は、今まで行政に頼ることが多く、国民が
進んで取り組むことは、残念ながらあまりありませんでした。近年では救急救命士制度
などが確立され多少前進し、応急手当講習受講者数も増加傾向にあり、災害時対策など
の活動も様々な形で地域に広がりつつあります。これらの活動は、今後とも引き継がれ、
更なる向上、発展を重ねて、広く社会に還元されていかなければならない。

しかしながら、日常に傷病者を発見しても傍観者になってしまうのが現状です。
応急手当普及活動は受身で行うことが主流。救急出動件数も、国民の意識の
低さや高齢化社会に伴い、需要と供給のバランスが崩れつつあり、毎年、上昇の
一途を辿っております。また、近年の青少年に関しても、人と人のふれあいが少ない
希薄な人間関係ゆえに、命の尊さを理解できず、犯罪が増加傾向である。

 このような背景に鑑みて、常日頃から救急に慣れ親しめるよう、市民自ら進んで応急
手当普及を行い、思いやりをもって隣人に手を差し伸べる事ができるようになることが、
今後の重要課題である。その視点からも、救命・救急の知識を持った人々や、人としての
思いやりや助け合い精神を持った人々が、率先して救命・救急に関する幅広い分野で、
各種の支援活動を行うことは、健全な社会形成にとっても、極めて有意義なことである。
よってここにわれわれ有志は、「特定非営利活動法人 日本救急Messenger」を設立し、
意欲ある多彩な人々を募り、特定非営利活動法人として、救急関連の支援活動を通じ、
社会に貢献しようとするものである。

それらの活動目標は、国民の救命・救急への意識の向上をもって医療の増進、日常・災害時
ともに救援活動、後世を担う子ども達への健全育成、救命・救急に係る幅広い助言・援助を
通じた社会へ教育推進、地域の安全と環境を守り、まちづくりの推進を図る。等々広く公益に
寄与するものとする。さらに、救急分野において、国内はもとより、諸外国とも連携・協力し、
社会に生かせるようにすることとする。